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プロダクションカー世界ラリー選手権
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7台のTEINユーザーが南米ラウンドに参戦
ポイント首位のK.ショーベリがリタイア、A.ドロシンスキーが11位で完走
2007年のP-WRC(プロダクションカー世界ラリー選手権)は北欧のスウェーデン、北米のメキシコを経て5月3〜6日、南米大陸のアルゼンチンを舞台に第3戦が開催された。ホストタウンはアルゼンチン中央部の第2都市、コルドバでその周辺の渓谷にステージを設定。ナローでルーズなグラベルロードから固い岩盤に覆われた高速エリアまで、まさに多彩なシチュエーションだ。さらに今季はコルドバの南東700kmの距離に位置する首都ブエノスアイレスにスーパーSSが設定されるなどスケールの大きなイベントとなった。 ヨーロッパ外イベントにも関わらず、23台の精鋭がエントリー。そのうちの6台、SYMS RALLY TEAMの37号車(SUBARU・インプッサGDB-F)を駆るS.バウリデス、同じくSYMS RALLY TEAMで38号車(SUBARU・インプッサGDB-F)を駆るK.ショーベリ、SUBARU POLAND RALLY TEAMの41号車(SUBARU・インプッサGDB-F)を駆るL.クザイ、SUBARU RALLY TEAM RUSSIAの42号車(SUBARU・インプレッサGDB-F)を駆るA.ドロシンスキー、STOHL RACINGの49号車(三菱ランサー・エボリューション9)を駆るS.ヴォイテック、同じくSTOHL RACINGの50号車(SUBARU・インプレッサGDB-F)を駆るP.フローディンがTEINユーザーだ。そのほかにも、今回はP-WRCのノミネートから外れたものの、STOHL RACINGの72号車(三菱ランサー・エボリューション9)を駆るC.デビッドがグループNで参戦した。
ラリーは3日、ブエノスアイレスのリバー・プレート・サッカースタジアムを舞台にしたスーパーSSで華やかなオープニングを飾るものの、本拠地・コルドバへ戻る飛行機が悪天候で遅延したために、翌4日の7本のステージがキャンセルに……。さらに5日のレグ2ではランキングトップに付けていたショーベリがリタイアするなど波乱の展開となり、TEINユーザーの最上位はドロシンスキーの11位に留まることとなった。
P-WRC第3戦「ラリー・アルゼンチーナ」が3日、ブエノスアイレスのスーパーSSで幕を開けた。舞台はリバー・プレート・サッカースタジアムで当日は2万5000人のギャラリーが集結。そのなかでトップタイムを叩き出したのはTEINユーザーのクザイだった。4月27〜28日のPRC(ポーランドラリー選手権)第2戦・シフィドニツィアに参戦したクザイは、スケジュールの関係でラリーウィークの合同テストを見合わせたものの、TEINのサジェストでセッティングを行ない、オープニングステージを制覇。さらに、グループNのデビッドもP-WRCのトップランカーを抑えて2番手で続く。さらにヴォイテックが4番手タイムをマークするなど、まさにTEINユーザーが幸先の良いスタートを切っていたのだが、同イベントは予想外のハプニングに見舞われることとなった。
当初、ブエノスアイレスのスーパーSS終了後、各コンペティターはチャーター機でラリーの本拠地となるコルドバへ移動。翌4日の金曜日から本格的な競技がスタートする予定となっていたのだが、悪天候の影響で飛行機が大幅に遅延。そのため、金曜日に予定されていた8本のステージのうち、7本のステージがキャンセルされることになったのである。
それでも、コルドバのスーパーSSではデビッドが好走を披露し、P-WRCを含めてグループNのトップをキープ。しかし、翌5日から本格的な競技が始まると過酷なサバイバルラリーが展開され、TEINユーザーも次々と上位争いから脱落していった。
まず、この日のファーストステージとなるSS10を制し、トップへ浮上したショーベリだったが続くSS11でステアリングロッドを破損。コースアウトを喫し、そのままリタイアする。さらに、好走を見せていたクザイも午前中のループでコントロールアームを破損してリタイアするほか、ヴォイテック、デビッドらもトラブルに見舞われてペースダウン。オーストリアで2日間のグラベルテストを行なって好フィーリングを得ていたフローディンもSS13でゲートにヒットしてこの日の走行を断念し、スーパーラリーでの再出走組へまわることとなった。
そして明けた6日のレグ3ではレグ1、レグ2でコンスタントな走りを披露していたパウリデスも石にヒットしてリタイアに……。その結果、TEINユーザーの最上位はドロシンスキーの11位に留まり、以下、12位にヴォイテック、13位に再出走のフローディン、グループNの22位でデビッドがフィニッシュした。
とはいえ、最終ステージのSS23でフローディンがPWRCを含めたグループN勢でトップタイム、WRカーを含めた総合タイムでも4番手に食い込むなど脅威のパフォーマンスを披露。さらに各ドライバーともに好感触を掴んでいるだけに、次戦アクロポリスではTEINユーザーの上位入賞に期待したい。
担当エンジニアのコメント(TEIN開発課/菅野一平氏)
「今回はアルゼンチンのラフなステージとは裏腹に柔らかい方向でより柔軟に足を動かすセットアップにトライしました。事前のテストから感触も良かったんですけど、予想以上に荒れた展開で、他のドライバーと同様にTEINユーザーの多くも不運に見舞われてしましました。しかし、11位で完走したドロシンスキー選手も路面コンディションに合わせたダンパーのアジャストによってレグ2からペースが上がってきましたし、多くのドライバーから柔らかいセッティングへの好感触も得ることができたのでセットアップの面ではリザルト以上に得るものがありました。第4戦のアクロポリスも今回のアルゼンチンの延長上にあるイベントなのでこれで方向性が掴めたと思います。次回までにもう少し細かいセッティングを煮詰めていきたいですね」
Pos.
No.
ドライバー
車両
タイム
トップとの差
備考
1
60
F.ヴィラグラ/D.カーレット
MISTUBISHI LANCER
EvoIX CT9A
3:08:53.7
総合9位
2
31
T.新井/T.サーカム
SUBARU IMPREZA
GDB-F
3:09:03.0
+9.3
総合10位
3
36
J..ハンニネン/M.Makkula
MITSUBISHI LANCER
Evo IX CT9A
3:09:21.9
+028.2
総合11位
11
42
A.ドロシンスキー/D.エレミーフ
SUBARU IMPREZA
GDB-F
3:32:03.8
+16:24.2
TEIN Gr.Nダンパー装着車
総合24位
12
49
S.ヴォイテック/M.エーンスト
MITSUBISHI LANCER
Evo IX CT9A
3:32:03.8
+23:10.1
TEIN Gr.Nダンパー装着車
総合25位
13
50
P.フローディン/M.アンダーソン
SUBARU IMPREZA
GDB-F
3:39:18.3
+30:44.6
TEIN Gr.Nダンパー装着車
総合29位
22
72
C.デビッド/M.ベルディ
MITSUBISHI LANCER
Evo IX CT9A
3:53:11.9
+44:18.2
TEIN Gr.Nダンパー装着車
総合32位
R
37
S.パヴリデス/D.ジローデ
SUBARU IMPREZA
GDB-F
-
-
TEIN Gr.Nダンパー装着車
メカニカル、リタイヤ
R
41
L.クザイ/J.バラン
SUBARU IMPREZA
GDB-F
-
-
TEIN Gr.Nダンパー装着車
メカニカル、リタイヤ
R
38
K.ショーベリ/R.ピエティライネン
SUBARU IMPREZA
GDB-F
-
-
TEIN Gr.Nダンパー装着車
メカニカル、リタイヤ