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ロシアの新星・E.ヴェルツノフが9位で完走!
注目のドライバーが相次いで脱落。2台のTEINユーザーが過酷なラリーを走破



2007年のP-WRC(プロダクションカー世界ラリー選手権)は早くも折り返しを迎え、5月31?6月3日、ギリシャを舞台に第4戦「アプロポリス・ラリー」が開催された。ホストタウンはアテネから南に30kmの距離に位置するマルコポーロで、その周辺の山岳地帯に21SSを設定。いずれも鋭利な石が散乱するラフグラベルで、天候に関しても真夏の太陽に照りつけられることからクルーにとってもマシンにとっても過酷な1戦だ。
この前半戦を締めくくる重要な1戦に22台が集結。そのうちの6台がTEINユーザーで、SYMS RALLY TEAMの37号車(スバル・インプッサGDB?F)を駆るS.バウリデス、同じくSYMS RALLY TEAMの38号車(スバル・インプッサGDB?F)を駆るK.ショーベリ、SUBARU POLAND RALLY TEAMの41号車(スバル・インプッサGDB?F)を駆るL.クザイ、SUBARU RALLY TEAM RUSSIAの42号車(スバル・インプレッサGDB-F)を駆るE.ヴェルツノフ、OMV BIXXOL Rally Teamの43号車(三菱ランサー・エボリューション9)を駆るA.イェレップ、Rally Team Olsbergの50号車(スバル・インプレッサGDB-F)を駆るP.フローディンが同イベントにチャレンジした。
ラリーは序盤から数多くのドライバーが脱落する波乱の展開で、フローディン、ショーベリ、クザイ、パウリデスら注目を集めていたTEINユーザーが相次いで離脱。まさに想像を絶するサバイバルラリーとなるなか、ロシアのニューカマー、ヴェルツノフが9位で完走するほか、イェレップも344kmを走破し、11位でフィニッシュした。



P-WRCで最も過酷なイベントと称されるアクロポリス・ラリーが5月31日、マルコポーロのオリンピック馬術アリーナに設定されたスーパーSSで幕を開けた。ラリーウィークの合同テストは雨の影響で月曜日から火曜日に変更されることとなったが、TEINユーザーは事前のテストはもちろんこと、シェイクダウンも好調で、オープニングステージでもフローディンが4番手タイム、ショーベリが6番手タイムをマーク。さらにルーキーのヴェルツノフも10番手タイムをマークするなど順調な仕上がりをアピールしていた。が、翌1日、山岳エリアで本格的な競技が始まるとハプニングが続出し、数多くのドライバーが脱落する波乱のラリーとなった。
まず、SS2でポーランド選手権の王者、クザイがロールオーバー。すぐに競技へ復帰するものの20番手に後退する。さらにSS2でベストタイムをマークし、トップへ浮上したフローディンもSS3でロールオーバーを喫し、ロールゲージを破損してそのままリタイアに……。一方、7番手に付けていたショーベリもSS4でステアリングアームを破損し、19番手まで後退することとなった。その結果、コンスタントな走りを披露したイェレップがTEINユーザーの最高位となる6番手でレグ1をフィニッシュ。クザイが13番手、ペースの上がらないバウリデスが15番手、ヴェルツノフが17番手、ショーベリが19番手でフィニッシュした。
こうして大きく出遅れることとなったTEINユーザーだが、追い上げが期待されていた翌2日のレグ2でもハプニングが続出。この日のファーストステージとなるSS10で、イェレップがパンクに見舞われて15番手に後退するほか、SS10でクザイが2度目のロールオーバーを喫し、マシンが炎上、そのままリタイアする。さらに、SS13ではショーベリがドライブシャフトを破損。なんとか昼のサービスへ帰還するものの、競技の継続を断念するほか、チームメイトのパウリデスもSS14でフロントのロアアームを破損し、SS15のフィニッシュ後にマシンを止めることとなった。
まさに予想外の展開となるなか、慎重な走りを披露したヴェルツノフが13番手でレグ2をフィニッシュ。SS10で後退したイェレップが14番手で続く。TEINユーザーの2台は翌3日のレグ3でもコンスタントな走りを披露。PWRC初参戦のヴェルツノフが9番手で同ラリーを走破するほか、SS18でパンクに見舞われたイェレップも完走を果たし、11番手でフィニッシュした。

■担当エンジニアのコメント(テイン開発課/菅野一平氏)
「固い岩盤をベースにしたラフグラベルなので、今回のギリシャは車高を高く設定。同時にストップ&ゴーのレイアウトなっているため、ステアリングの応答性と路面への追従性を考慮してダンパーをセッティングしました。三菱ユーザーのイェレップにはランサー用モデルにタンクのブラケットを追加するほか、ショーベリ、クザイ、フローディンのインプレッサには商品開発を目的に試作モデルを装着。ともに結果は良くありませんでしたが、ラフグラベルの方向性が固まってきており、今回の荒れたコンディションでも、サスペンションにはトラブルも一切発生せず、フローディンのクラッシュでもダンパーは無傷だったので強度に関しても充分なレベルにあるでしょう。今後は耐久性を確保しながら軽量化を推し進めていきたいですね」



Pos. No. ドライバー 車両 タイム トップとの差 備考
1 31 T.新井/T.サーカム SUBARU IMPREZA
GDB-F
4:10:08.9 ----- 総合15位
2 47 A.アイグナー/K.ウィチャ MISTUBISHI LANCER
EvoIX CT9A
4:13:07.3 +2:58.4 総合16位
3 45 M.バルダッチ/G.アグネス SUBARU IMPREZA
GDB-F
4:13:21.8 +3:12.9 総合17位
9 42 E.ヴェルツノフ/G.トロスキン SUBARU IMPREZA
GDB-F
4:24:28.8 +14:19.9 TEIN Gr.Nダンパー装着車
総合26位
11 43 A.イェレップ/M.カシン MISTUBISHI LANCER
EvoIX CT9A
4:28:38.3 +18:29.4 TEIN Gr.Nダンパー装着車
総合28位
R 37 S.バウリデス/D.ジロウデ SUBARU IMPREZA
GDB-F
----- ----- TEIN Gr.Nダンパー装着車
メカニカル、リタイヤ
R 38 K.ショーベリ/R.ピエティライネン SUBARU IMPREZA
GDB-F
----- ----- TEIN Gr.Nダンパー装着車
メカニカル、リタイヤ
R 41 L.クザイ/J.バラン SUBARU IMPREZA
GDB-F
----- ----- TEIN Gr.Nダンパー装着車
メカニカル、リタイヤ
R 50 P.フローディン/Mアンダーソン SUBARU IMPREZA
GDB-F
----- ----- TEIN Gr.Nダンパー装着車
オフロード、リタイヤ
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