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プロダクションカー世界ラリー選手権(P-WRC)は、量産車の世界一決定戦
FIA(国際自動車連盟)が定める世界選手権は、WRC世界ラリー選手権とF-1ワールドグランプリ、そしてこのP-WRCプロダクションカー世界ラリー選手権の3つしかない。WRC、F-1ともに競技専用のワールドラリーカー、グランプリカーを使って究極の走りを追及するのが醍醐味だが、このP-WRCは量産車からの改造が厳しく制限されている選手権だ。つまり、公道を走る量産車両で「世界一」を競うモータースポーツカテゴリーなのである。このグループNは、サスペンションの交換は許されているが、量産車両用の形式やサイズからの変更は認められない。よって、ロードカーの特性を知り尽くし、世界各国の道を知り抜いた経験を持つサスペンションブランドが強いとされている。スーパー耐久をはじめ、全日本格式の各選手権やかつてのアジアパシフィック地域でその名をならした「TEIN」が挑むには、格好のステージである。WRCと併催で行われるため、ラリー関係者や自動車メーカーやチームの担当者が注目する中で走ることになる。そのために、将来を嘱望された若者達がこのP-WRCを目指し、日々各国のチャンピオンシップでしのぎを削っている。グループNマシンを走らせるチームも、様々なイベント特性を把握し、戦略をもちあわせている必要がある。つまり、量産車を使った選手権とはいえ、非常に中身の濃いプロフェッショナルな世界なのである。

TEINは、2005年からWRCの現場へ復帰するにあたり、迷わずこのP-WRCへの進出を決心した。ここでサスペンションを鍛え上げることが、商品開発の最短距離だと確信したからだ。年間8戦が組まれるこのP-WRCは、2007年の場合、最低気温がマイナス25度ともなる極寒のスウェーデンに始まり、翌月には赤道に近い高地のラフラリー、メキシコへと移動。5月には晩秋の南米アルゼンチンの名物ステージに立ち向かい、6月には気温が40度近いギリシャで非常にダスティで岩がゴロゴロしたガレ場のコースを縫う。シーズン後半は、スムーズな路面ながら独特のキャンバーロード(かまぼこ型路面)と格闘するニュージーランド、そして時として轍に苦しむジャパンの高速グラベルを経て、11月にP-WRC初見参のアイルランドのターマックロードを走る。最終戦は12月のウェールズの森で展開される冷たくヌタヌタのラリーGBだ。

このP-WRCにシリーズ登録しているドライバー、コ・ドライバーの国籍を見ると、日本、ニュージーランド、英国、サンマリノ、フィンランド、キプロス、フランス、カタール、イタリア、オーストリア、ドイツ、チェコ、ヨルダン、スウェーデン、エストニア、アメリカ合衆国、アルゼンチン、ロシア、ハンガリー、ポーランド、スロベニアなどまさに地球規模である。


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