朝晩がだいぶ涼しくなった11月初旬、浙江省、龙游周辺で中国ラリー選手権第4戦が行われた。今回は、APRC(Asia Pacific Rally Championship)最終戦も併催のため、日本を始めオーストラリア、マレーシア等多彩な顔ぶれが参加した。
ここ龙游は、洞窟や奇岩、古寺で有名な観光地であり、ステージはその丘陵地帯のワインディングに加え荒れた山岳路、山村の道筋といずれも狭く、グラベル=未舗装路とコンクリートターマック=舗装路がミックスされ変化に富んだ設定であった。
そんなステージを走るラリーカーのサスペンションセットアップもグラベルとターマックではまるで違う。それを如何に両立させられるかが肝となる。最大限両立できるセットアップを見つけるためには、基本となるダンパーの性能が何よりも求められる。
今回もテインでは、Gr.N Damperのサポートを始め、HG Damper, Specialized Damperユーザーサービスに奔走した。Gr.Nサポートチームでは、テイン中国人エンジニア同行のもと優勝候補の紅河チームPatrik組、KSTチームMark組の精力的なテストが行われ、グラベルとターマックのミックスという難しい状況を読んだ究極の妥協点を探った。
ラリーは、金曜午後に市内特設会場にて1.8kmのSS1でスタートし、Day1の土曜日は長丁場のSS2~9(約143km)、Day2の日曜日はSS10~15(約84km)と進んだ。
SS1は、万宇チームのDavid組を筆頭にAPRC参戦の日本人チームも含め上位6~7台が1秒以内の接戦となった。翌日、土曜日のDay1では、サービスが4回設定されている。朝一番、7時すぎのサービスA(12分)、10時頃のサービスB、14時頃のサービスC(22分)、17時頃のサービスC(47分)この限られた時間以外に車両整備を行う事ができない。
KSTチームのMark組は、各サービスを使いタイヤの選定、サスペンションの調整等々を着々と進めトップで終了。後続とは36秒ほどの差である。一度パンクでもすればあっさり逆転されてしまう微妙なリードである。
日曜日Day2は、KSTチームMark組、万宇チームDavid組、SRTCチームSandell組の順でスタートした。その後方では、APRC組の日本人クルー、そして中国人No.1をかけた争い、また、中国民族系ラリーカー達の戦いと続いた。
この状況で速かったのが、SRTCチームSandell組。その追い上げは凄まじく2位の万宇チームDavid組を逆転、しかし、1位KSTチームMark組には及ばなかった。
そして、前回のCRC山東でクルーのミスによりリタイアしたKSTチームのMark組は、雪辱の総合優勝を遂げた。また、中国人ドライバー1位はKSTチームのWei組。勿論、KSTチームは、このラリーでのチーム優勝も決め三冠。おまけに、中国人ドライバー2位に入った同じくKSTチームのDong組は、最終戦を待たずして中国人チャンピオンを決めた。
次戦12月中旬の佛冈はCRC最終戦となる、、、、、乞うご期待! |